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こちらのページではあまりオープンに出来ない情報なんかを載せていきたいと思います。

 

コンゴウフグの解剖所見

まずは友人のアクアリストの方からご好意でコンゴウフグの解剖写真を頂きました。

皆さんも、子供の頃フナの解剖とかをした記憶があると思いますし、そうでない方も日常の魚料理で魚の構造は

よくご記憶にあると思います。

それらの魚達と異なり、また近縁の膨らむことで有名なフグ類ともまた違った構造をハコフグ類は持っています。

ハコフグ類はその箱河豚という名前の通り箱型の外骨格を持つ特徴的な構造をしています。

自分もハコフグを調べだしてネットではハコフグのレントゲン写真なんかを見たことがありますが、今回のコンゴウ

フグの解剖写真は初めて見るものになります。

拝見させていただき非常に興味深く、資料としても貴重なものだと思います。

また魚の体の構造を知ることにより実際の飼育に役立つ知識が得られるかもしれません。

ということで少し刺激が強い画像ですが、解剖写真をアップしたいと思います。

 

まずは解剖の模式図から

 

下の写真はネットで見つけたフグ類の解剖の模式図ですが、比べてみると違いが色々あって興味深いです。

  

  まず気付くのがフグにおいては膨らむことで有名な様に

  膨張のうという組織が非常に発達しています。

  逆にハコフグは膨らまず(めず?)外骨格で囲まれた構造

  をしているため当然膨張のうらしい組織が見当たりません。

  しかし体壁だけでなく非常に発達した分厚い内骨格が身体

  を支えています。

  その分敏捷な泳ぎという意味では不利な構造なのが良くわ

  かります。

  良くこの図を見ていただいて次からの解剖写真を見て頂く

  と内部構造を見る際に役立つと思います。

 

 

 

 

 

死亡したコンゴウフグ 体長20cmはある

縦割りで内部構造が良くわかる。

縦割りにし、正面から見たところ

鰓の入孔部と腸管への経路

腸管の構造が良くわかる。↓は胃?

腸管と総排泄孔への経路

消化管と肝臓の位置関係が明瞭

脳の組織を指し示す。

浮き袋

臓器名は判別出来ず。φ5mmのサイズ

位置的に脾臓か?

(腎臓か卵巣もしくは精巣の可能性も。)

肝臓とピンセットの先端は破れてしまった

胆のうを示す。肝臓表面が緑色なのは流出

した胆汁による。

眼球を頭蓋骨内側側より取り出した所。

眼球部に見えるのは眼球表面を保護する

皮膚が変化した透明な膜。

眼窩を頭蓋内側から観察した所。

眼窩を覆う膜が見える。

 

魚類の眼球の断面図

心臓 1心房1心室

内臓を取り去ると骨格が良く解る

骨の構造と筋肉の付着が良く解る

考察

◆まず体表だけでなくかなり体の内部にも骨格が発達、強固な作りとなっている。

◆内臓臓器では非常に肝臓が発達し、哺乳類と変わらない構造を持つのが感心した。

ただ腸管は一本に近い管で長さも哺乳類などと比べると遥かに短い。

結果食っちゃ出し(笑)という事になるのでしょう。大食いはここら辺から?

◆海水魚は海水中で生活するため体の浸透圧より周囲の浸透圧の方がおよそ3倍も高いため常に脱水する傾

向にあります。そのため海水魚は常に海水を飲んで水分を腸壁から吸収し、過剰な塩分は、鰓に特に発達してい

る塩類細胞から排出する事で浸透圧を保っています。

今回鰓の構造が上の写真でよく理解でき、前記のようなシステムの理解にも役立った。

◆コンゴウフグの繁殖の記事にも書いたのですがコンゴウフグは外見での雌雄の差があまり無く雌雄判定が難

しい。ハコフグ飼育の師匠、箱福さんの見解で外見上での微妙な体形の違い、体色の違いから雌雄を判別でき

ないか?と考えた事がありますが、正確な判定には解剖しかないようです。

今回の症例では性成熟に達していないかもしれませんが、生殖器の確認が出来ませんでした。

外見的にはメスらしい特徴を持つ個体との事でしたが・・・。

◆目の解剖では哺乳類との構造の違いが良くわかった。哺乳類では眼球を保護するためマブタが発達している

が魚類ではマブタを持たない代わりに頭部の皮膚が目の上に広がり眼窩の所だけ透明になっている。

この膜が眼球表面を覆い目を保護する役目をしている。

ボラ、マサバではゼラチン様の透明膜が良く発達し、中央だけが開口している。これを特に脂瞼という。

ある種のサメやフグでは結膜の褶である瞬膜が目を保護する。(魚類解剖学より)

アクアリウムでポップアイという病気があるが眼球のどこが膨れているのか今まではよく理解出来なかったのだが

目の表面を覆う膜と角膜の間にガスや液体が貯留し腫大するのではないだろうか?(他にも眼球そのものが拡大

する場合などもあると思うが)ポップアイでの処置で「針で突き刺しガスを抜く」なんて方法があるようだが角膜を刺

すので無いならあながち悪い治療では無いのかもしれない。

写真の症例も白点病で眼球表面が白濁しているが、取り出した眼球を見ると角膜は綺麗なものです。

目に関する雑学だが、哺乳類はピントを合わせるのに水晶体の厚さを変化させるが、魚類では水晶体の位置を

変化させピントを合わせるそうです。

 

今回の貴重なお写真はアクアリストの友人、kodoさんより提供して頂きました。ありがとうございました。

これらの資料はきっとハコフグ好きの皆様のお役に立つだろうと自分は確信しております。

 

 

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